第131回 2006年JISを活用した、チームワーク向上術
株式会社コラボレットの岡崎真です。
プライバシーマークや個人情報保護のスキルを、どのように明るい会社づくりに活用できるか? この少し面倒な課題をどのようにしたら楽しむことができるか? 本年もみなさんと一緒に実践していきたいと思います。
さて今回は、2006年版JIS(JISQ15001:2006)を活用した「チームワーク向上術」について。
まず私の意見としては、プライバシーマークを個人情報保護だけに使うことはもったいない、ということ。
「えっ、Pマークは、個人情報保護の認定プログラムでしょ?」
こんなふうに思われるかもしれません。
確かに目的は、会社ぐるみの個人情報保護。
しかし、個人情報保護を通じ、チーム力とモチベーションを高めることができるのです。
このように考える理由は、2つあります。
まず、1つめとして・・・
■マネジメントシステム(PDCAのサイクル)を明確にする
マネジメントシステムとは、PDCA-計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)-のプロセスを実施するという意味。
経営でPDCAのサイクルを回すことが重要ということは、誰しも理屈では分かっています。けれど、実践で生かされているか?と自問すると、自信がなくなってしまう方も多いことでしょう。
なかでも甘くなりがちなのは、チェックではないでしょうか。
しかも、「私としてはOKです。」と個人的に確認している段階から、「組織としていつでもOKであると確認できる。」仕組みにすることが重要です。
このような組織的な仕組みづくりのポイントは、
(1)誰が?
(2)どうやって?
(3)いつ?
の3つから始めることです。
たとえば、2006年JISで追加された事項に、「日常点検」があります。
日常業務において、気づいた点があればそれを是正および予防していくということ。
「気づいた点を、日々是正すりゃいいんだな・・・。」
と誰でも理屈ではわかります。
しかし、誰が?どうやって?いつ?是正するのか、新入社員でも使えるツールに落とし込まれていないと、運用することはできないものです。
ということは、ツールづくりが肝心ということ。
つまり、業務を行うチームのメンバーがいつも使用するツールを改善すれば、「業務のチェックができ、かつ個人情報保護のチェックもできる。」わけです。
2006年版JIS(JISQ15001:2006)になって、「運用手順(3.4.1)」が新設されました。この運用手順を定めておくことは、誰が?どうやって?いつ?実施するのか明確にしておくことです。
先ほどの日常点検の例では・・・
(2006年版JISで要求される運用例)
・だれ? : 担当者Aさんは個人情報の運用について、
・どうやって? : チェックシートで点検し、
・だれ? : B部長の承認印が必要。
・いつ? : 今回はOK、次回の見直しは○月○日に。
ということ。
経営で大事なことは、「あたりまえのことを、あたりまえにやる。」ことですが、これをやり続けることはとても難しいことでもあります。
チェックするツールの改善を図るだけで、個人情報の管理にとどまらず、チーム全員のコミュニケーションの量と質がアップグレードするわけです。
これはチャンスです。1年経ったときには、膨大なチーム力の差が生じることが想像できると思います。
次に、2つめです・・・
■エンパワーメント(権限委譲)の仕組みをつくる
中小企業では、なんでもかんでも社長決裁という会社が少なくありません。しかも、従業員が100人を超え、複数の拠点をもった会社でもまだまだ見かけます。
形式上は職務を遂行する上での権限の委譲がされていても、暗黙のルールとして、いちいち社長の意志決定を仰ぐ必要があるケースもあります。
いずれにせよ意志決定までの時間がかかり、ビジネスの機会を失う恐れがあることはもちろんですが、働く人のモチベーションや精神的なパワーを奪うことになってしまいます。
社会的に大きく変化するこの時代には、チームで働く一人ひとりが本来備えている能力を引き出し、成果を出すことが求められています。
どうすればよいか? そうです、明確にすることです。
「明確さは力」、パワーをもたらします。
誰が?どうやって?いつ?の3つのポイントを明確にしましょう。
大きく構えすぎず、チェックシートなどのツールを一部分でも改善することから始めてみてはいかがでしょうか?
今回は個人情報保護を通じた、チームワーク向上術についてお話ししましたが、明日からできることを1つでも実践していただければ嬉しいです。



