第127回 方針から、作り直しなのだ。
9月に現地審査も終わり、指摘事項に対する報告も提出して、現在、審査結果を待っています。
5月20日に2006年版JISが制定されてから、わずか2カ月!
個人情報保護マネジメントシステムを改訂し、試行運用、監査を経て、なんとか申請書を提出しました。
こんなに短い期間で、キチンとした対応ができるのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、現地審査の際、審査員の方に
「レベルが高いですね。」
と嬉しい言葉をいただきました。
そこで、コラボレットが2006年版JISに移行する際に、
「ここは、解釈が難しいなぁ。」
「やっておいてよかった!」
「やっておけばよかった・・・」
など、気づいた点をご紹介したいと思います。
今回は、個人情報保護方針について。
個人情報保護方針と言えば、プライバシーマークを取得するとき、
真っ先に作成する「ピラミッドの頂点」にあたる文書です。
2006年版JISに対応するには、この個人情報保護方針から変更する必要があります。
■何が変わったのか?
「JIS Q15001が2006版に改正されました。
個人情報保護方針は、どこを直しましたか?」
どうでしょう。
さっと答えられるでしょうか?
追加・変更する点が、5つあります。
(1)個人情報保護の理念の明確化
(2)目的外利用を行わないこと及びそのための措置
(3)国が定める指針の順守
(4)苦情及び相談への対応
(5)代表者の氏名
「はいはい、了解。」
・・・本当に、了解しました?
わざわざこう聞くのには、理由があります。
(1)~(5)の全てに対応したつもりなのに、実は、対応が不十分になりがちなものがあるのです。
それは・・・
(2)目的外利用を行わないこと及びそのための措置
です。
■あえて書こう
2006年版JISでは、次のように書かれています。
あなたは、これに対応する個人情報保護方針の文章を、
どのように書きますか?
これでよいと思う方?
はい、残念ですが、指摘を受ける可能性があります。
これではダメだと思う方は?
はい、正解です。
では、何がダメか?
この文章は、JISの文章の前半、つまり「個人情報の適切な取得、利用、提供」についてしか述べていません。カッコ内の目的外利用に関する記述が抜けているのです。
カッコ内の文章について記述すると、例えば、こんな文章になります。
前半に書かれている「適切な個人情報の取得、利用及び提供」は、後半のカッコ内の目的外利用に関する文章についても含む、と書かれていますから、あえて目的外利用について記述する必要はない、とも考えられます。
しかし、2006年版JISでは、カッコ内の文章が、わざわざ追加されました。
「適切な個人情報の取得、利用及び提供」に、
目的外利用を行わないことを含む
と説明したいだけなら、JISの解説に記述すればよいのです。
それを、あえて、JISの本文にカッコ書きで記述しています。
ですから、個人情報保護方針を作成する側も、カッコ内の目的外利用について、あえて記述するべきなんです。
「言わなくても、分かっているだろう。」
相手を良く知っていればいるほど、付き合いが長ければ長いほど、
いちいち言わなくても相手に伝わるだろう、と期待するものです。
個人情報保護方針の場合、
「わざわざ書かなくても、『適切な個人情報の取得、利用及び提供』に、目的外利用を行わないことを含んでいることは、審査員は分かっているだろう。」と、審査員に期待をすることになります。
でも、期待が裏切られたことって、今までにありませんでしたか?
こんなはずじゃなかったのに・・・。
分かってくれると思っていたのに・・・。
そんな思いを、プライバシーマークの現地審査ではしたくありませんね。
そのためには当たり前、分かっているだろう、と思うことでも、明確に記述することです。
■しっかり答えられるように
現地審査で、個人情報保護方針について質問されるのは社長です。
個人情報保護方針を、しっかり改訂しても、社長がその内容を分かっていなければ、現地審査で冷や汗をかくことになります。
最初の質問、
「JIS Q15001が2006版に改正されました。
個人情報保護方針は、どこを直しましたか?」
現地審査で答えられるように、社長と一緒に練習してくださいね。



