第89回 「4月1日『まで』と『から』」(1)
本日早朝、個人情報保護法の完全施行はやっぱり無理と思われるため、
急きょ、取りやめる旨の内閣府の発表がありました!(1/APRIL/2005)
テストができない中学生が、ヤギの大群が教室に押し寄せて問題用紙を食べ散らかし、学校が試験を続行できなくなる夢をみてニンマリ安堵する。
このテレビCMの主人公はもちろん、あり得ない夢、すぐに醒める夢であり、現実は変わらないことを自覚している。しかし、一瞬の夢はその脆さゆえに、甘美でありつづけるのかもしれない…。
もちろん、冒頭の“発表”は「エイプリルフール」、つまりウソです。本日から個人情報保護法が完全施行になりました。
さて、4月1日に遡(さかのぼ)る3カ月前では、個人情報保護法に対応済みの企業は、わずか34%という民間のアンケート結果が発表されました。
http://www.abeam.com/jp/aboutus/pr2005.html
(アビームコンサルティング株式会社)
みなさんの会社は、34%に入っていますか?
■4月1日『まで』
3月23日東京商工会議所にて、「個人情報保護法 直前講座」と題した、セミナーを開催させて頂きました。
有り難いことに、満員御礼。
社長・役員・部長などの職位の方が中心の会となり、各論で対策方法を質問される方が多く、お陰様で濃い内容になりました。
ちょうど1年前の同様のセミナーでは、閑古鳥が鳴いていました。
意識の変化を、ぐっと肌で感じた1日でした。
さて、個人情報保護法が完全施行となる、4月1日『まで』に対応すべく努力してきた会社を、まったくの主観ですが大まかに2つに分類してみます。
(1)駆け込み乗車派
社会の空気に敏感な組織、もしくは敏感な担当者が何人かいる会社。
個人情報の漏えい事件が頻発したころから、情報をウォッチしておいて、すこしずつ準備をしていました。
新聞・雑誌などの、記事や広告の出稿量がぐっと増えた機会をとらえて、
「社長、コレを見て下さい。ウチもそろそろやらなきゃ、ダメですよ!」
なんて、トップをうまく活用した会社。
この数カ月の社会的な気運の高まりに乗じて、セキュリティー・ポリシーを社長名で発信したり、社内セミナーを開催したりしましたよね。
また、委託先の契約書を見直したり、コンサルタントや弁護士に相談されたりする方も多かったと思います。
私どもにも、
「プライバシーポリシーだけでも、ホームページに掲載したい。」
「従業員に、最低限の対応がとれるようにさせておきたい。」
「契約書を見てくれ、これで大丈夫か。」
など、今年に入ってからご相談が急に多くなりました。
駆け込み乗車派では、
「とにかく、なんとか、4月1日に間に合わせたい!」
乗り遅れないようにダッシュして、
「よっしゃー、一通りの手を打った。形だけは整えたぞ。」
という感想があるのではないでしょうか。
(2)一本前の電車に座って乗る派
多数のコンシューマーを顧客とする会社では、早くから個人情報保護法への準備をすすめてきました。
コンプライアンス・プログラムの整備、啓蒙活動、役員や社員への教育、物理的・論理的なセキュリティー対策など、すでに運用を行いながら試行錯誤を繰り返してきました。
比較的、組織や構成員の規模が大きい場合が多く、個人情報保護法の概念が社員に浸透するまで時間が掛かりましたが、
「コンプライアンス・プログラムもない会社に、仕事は出せないよね。」
なんて、社員の発言もすっかり様変わりした会社。
私どもにも、
「お客様の苦情対応について、業務フローや規定はどうしようか。」
「労使間での個人情報の取り扱いについて、意見をくれ。」
「個人情報の開示を、本社でも支社でもスマートに運用したいのだが。」
などのご相談がありました。
駆け込み乗車であっても、1本前の電車に座ろうと準備しても、
これからが本番です。
しかも、個人情報保護法が廃止・改訂になるまで、ずっと続きます。



